高圧ガス保安法とその他エアゾールに関する法規
- エアゾールの手引き・基礎知識
エアゾール製品に関わる法律・規定等は、多岐にわたり、それらが複雑に関係しあっています。
噴射剤には高圧ガス保安法、内容液には消防法、さらに製品の種類に応じて、薬機法、農薬取締法、家庭用品品質表示法、労働安全衛生法など、許可・届出を必要とするものから表示の義務づけられているものまで多種多様な法規が関係しています。さらにエアゾール製品の物流においては、郵便法、航空法、危険物船舶運送及び危険物貯蔵規則などが関係してきます。
当然、これらの法規を所轄する官庁も、経済産業省、厚生労働省、農林水産省、総務省、国土交通省と多岐にわたります。また、地方自治体の条例等や関連業界団体の自主基準に関わるものもあり、エアゾール製品は幾重もの厳しい管理下に置かれているのが現状です。
高圧ガス保安法
エアゾール製品は内部に高圧ガスを封入している構造上、本来は「高圧ガス保安法」の規制対象となります。しかし、一定の基準を満たすエアゾール製品は、同法の適用を除外されています。ただし「適用除外=無規制」ではなく、次のような厳格な技術基準をクリアする必要があります。
<高圧ガス保安法の適用除外条件(抜粋)>
- 充填量:内容物充填量の体積は35℃で容器内容積の90vol%以下
- 製品圧力:35℃での製品圧力は0.8MPa以下
- 気密性:48℃で内容物が漏洩しない
- 容器内容積:1,000㎤以下
- 容器の材質:内容積100㎤以上は、鋼または軽金属を使用、ガラス製容器(100㎤以下)は、内面又は外面を被覆
- 容器の耐圧:50℃での容器内の圧力の1.5倍の圧力で変形せず、1.8倍の圧力で破裂しない。但し、1.3MPaで変形せず、1.5MPaで破裂し なければこの限りではない。
- 容器の再利用:容器内容積が30㎤を超えるものは、再使用禁止
- 製品への表示:容器の構造、種類に応じ決められた表示事項を、決められた大きさ、色の文字で表示する(表1参照)

圧縮ガスのみを噴射剤として用いるエアゾールに関する自主基準
窒素や炭酸ガスなどの圧縮ガスのみを噴射剤として用いるエアゾール製品のうち、温度35度で1MPa未満、かつ、常用温度で1MPa未満となるものは、高圧ガス保安法の対象外となります。しかし法的な安全規制がかからないからといって、無秩序に製造できるわけではありません。
そこで日本エアゾール協会が、業界の自主基準として制定したのが「圧縮ガスのみを噴射剤として用いるエアゾールに関する自主基準」です。
<圧縮ガスのみを噴射剤として用いるエアゾールに関する自主基準(抜粋)>
- 使用可能ガス:窒素、炭酸ガス、アルゴン、ヘリウム、圧縮空気、酸素、亜酸化窒素などの単体又は混合ガスであること
- 容器内容積:1,000㎤以下
- 充填量:内容物充填量の体積は35℃で容器内容積の90vol%以下
- 容器の材質: 材料に鋼若しくは軽金属を使用した容器(内容物による腐食を防止するための措置を講じたものに限る。)又は内容積220mL 以下の容器(ガラス製の容器にあっては、合成樹脂等によりその内面又は外面を被覆したものに限る。)に充填されたものであること。
- 耐圧基準:50℃での容器内の圧力の1.5倍の圧力で変形せず、1.8倍の圧力で破裂しない。但し、1.3MPaで変形せず、1.5MPaで破裂しなければこの限りではない。
- 気密性: 常温でガスが漏れないものであること
- 表示義務:容器の構造、種類に応じ決められた表示事項を、決められた大きさ、色の文字で表示する(表2参照)