エアゾールについて

Aerosol

炭酸ガス充填技術の革新

  • 製造技術・生産技術

精度向上と高粘度原液への対応

近年、炭酸ガス配合製品は、化粧品をはじめとするさまざまな分野で注目されており、付加価値の高い製品づくりに貢献しています。炭酸ガスは不燃性であることから安全性にも優れ、用途の拡大が進んでいます。当社では、炭酸ガスを噴射剤として用いたエアゾール製品の充填技術において、安定性と精度の向上に取り組んでまいりました。

炭酸ガス充填精度の向上

炭酸ガスは液体に溶解する性質を持つため、原液の物性や容器サイズによって溶解挙動が変化し、安定した製品圧力の管理が難しいという課題がありました。当社では、充填設備および供給ガスの圧力・温度管理を最適化することで、この課題の解決に取り組み、充填精度を大幅に向上させました。主な取り組みは以下のとおりです。

炭酸ガス供給圧力の安定化

供給圧力を一定に保つことで、原液への溶解効率と充填量、製品圧力の安定化を実現しました。

炭酸ガス供給温度の最適化

供給温度を適切に管理することで、溶解のばらつきを抑え、安定した製品圧力を確保しました。

振盪条件の最適化

製品ごとに振盪回数や方法を設定し、内容物と炭酸ガスの混合・溶解を促進しました。

これらの取り組みにより、炭酸ガスを液中に均一に分散・溶解させることが可能となり、品質管理の安定化につながりました。その結果、工程能力指数(Cp値)は0.3から1.5へと大幅に改善し、工程の安定性と製品品質の向上を実現しています。

充填制度比較結果
炭酸ガス充填精度比較結果
※Cp値について
Cp値(Process Capability Index:工程能力指数)とは、製造プロセスが規格範囲内でどれだけ安定して製品を生産できるかを示す指標です。一般的に、Cp値が1.0以上であれば「工程能力がある」とされ、1.33以上で「十分な工程能力がある」と評価されます。今回のケースでは、0.3という低い値から1.5という非常に高い値へ改善されました。これは、炭酸ガス充填プロセスが仕様に対して非常に安定し、工程不良の発生リスクが大幅に低減されたことを示しています。すなわち、製品品質の劇的な向上を意味します。

高粘度原液への安定充填

高粘度原液への炭酸ガス充填は、従来、ガスが液中に溶け込みにくく、安定した充填が難しいという課題がありました。当社では、独自開発した「炭酸ガス充填アダプター」を導入することで、この課題を解決しました。本アダプターは、エアゾールバルブの特性を活用した充填ノズルを採用しており、高粘度原液に対しても高精度かつ安定した充填を可能にしました。

充填ノズルの改良と応用展開

容器や製品仕様、エアゾールバルブ仕様に応じて充填ノズル(充填ヘッド)を使い分けることで、充填精度のさらなる向上を図りました。これにより、充填圧力の安定化、品質の均一化、生産効率の向上に大きく貢献しています。さらに、この技術はLPGとの二段充填仕様にも応用可能であり、炭酸ガスの大容量充填から小容量充填まで、狭い規格範囲内で安定した充填を実現しています。

まとめ

当社は、炭酸ガス充填という製造プロセスにおける技術的課題に対し、設備・条件・部材の各面から改善を重ねることで、製品品質と生産安定性の向上を実現してまいりました。特に高粘度原液への対応は、これまで困難とされていた製品分野への展開を可能にする重要な技術革新です。今後も当社は、充填技術のさらなる高度化を通じて、多様な製品開発とお客様の価値創造に貢献してまいります。

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