圧縮ガスを用いた二重構造容器「BOV」
- エアゾールの手引き・基礎知識
BOVとは
BOV(Bag-on-Valve/バックオンバルブ)は、エアゾール容器の中で中身の液体を専用の「袋(パウチ)」に入れ、噴射剤(ガス)と完全に分離する次世代のスプレー包装技術です。従来の一般的なスプレー(エアゾール)は容器の中で内容液とガスが混ざり合いますが、バッグオンバルブはパウチの中に内容液を、パウチと容器の隙間にガスを充填する仕組みになっています。容器内部に、内容液が充填されたパウチが宙吊りで保持され、容器とパウチの間には圧縮ガス(窒素ガスなど)が封入されています。エアゾール容器のボタンを押すと、圧縮ガスの圧力によりパウチが押し潰されることで、内容液が外部へ噴射されます。噴射された液は、ノズルの種類によって霧状、直線状、クリーム状、ジェル状など様々な形態で噴射されます。この構造は高い安全性を有し、内部のパウチは強度の高い外装容器に保護されているため、衝撃に対して高い耐久性を備えています。万が一、外装容器に穿孔が生じた場合でも液漏れは発生せず、圧縮ガスが大気に放出されるのみに留まります。
BOVの特長
高い安定性
噴射剤(ガス)や空気に直接触れないため、内容液の酸化や汚染を防ぎます。また、アルミパウチのバリア性により噴射剤の透過も防ぐことができます。他にもパウチ内の内容液はエアゾール容器と直接触れないため、金属缶への腐食性の高い内容物(強酸、強アルカリ、塩化物など)を保管できます。
360度どの向きでも噴射可能
袋がガスに押される仕組みのため、逆さまにしても、横向きにしても安定して最後まで使い切れます。
高い排出率
中身をほぼ出し切ることができるため、無駄がありません。
環境と安全への配慮
可燃性ガスの代わりに、圧縮空気や窒素などの環境負荷が低いガスを使用することが可能です。
多様な製品に対応
さらさらした液体から、クリームやジェルなどの高粘度液まで幅広く対応できます。
さらにアクチュエーターを変えることによって、霧状、ジェット状、クリーム状など、様々な噴射パターンに対応可能です。
使用製品例
この技術は、特に品質の維持が重要な以下の分野で活用されています。
【人体用品】ミスト化粧水、シェービングジェルフォーム、ヘアカラートリートメント
【食品】オリーブオイル、サプリメントスプレー
【医薬品・医療】傷口洗浄液(生理食塩水)、消毒スプレー
【工業用品】ドローン向けスプレー