エアゾールについて

Aerosol

炭酸ガスを噴射剤に選ぶメリットと製造現場のポイント

  • 開発内容

エアゾールの噴射剤に炭酸ガスを選ぶ理由

エアゾールとは、容器に充填された噴射剤によって内容液を霧状や泡状に噴出させる製品のことです。エアゾールは、原液、噴射剤、バルブ、ボタンの組み合わせにより、使用シーンや目的に合わせて霧状、泡状、ジェット状など様々な噴霧形態を実現できます。これにより、エアゾールは人々の生活に広く普及し、欠かせない身近な製品となり、現在も進化を続けています。
一般的に使われる噴射剤には、液化ガスと圧縮ガスの2種類があります。液化ガスにはLPガスやジメチルエーテル、フロン類が、圧縮ガスには炭酸ガス、窒素、亜酸化窒素などが使用されています。
市販のエアゾール製品の多くは、LPガスやジメチルエーテルを噴射剤として使用しています。LPガスは圧力を一定に保てるなど多くのメリットがありますが、可燃性のため運搬や廃棄時には十分な注意が必要です。一方、圧縮ガスは不燃性であるため、火気の近くでの使用や廃棄時の爆発の危険がなく、安全に利用できます。近年では、パーソナルケア分野での採用が増えているほか、食品用途にも使われるなど、エアゾールの使用シーンが拡大しています。
法規制の面では、可燃性ガスを使用しない圧縮ガス製品は高圧ガス保安法の適用除外となっています。消費者が安心してエアゾールを使用できるよう、日本エアゾール協会が定める独自の安全・品質基準に基づき、事故の防止と品質の統一が図られています。

炭酸ガス噴射剤の特性とLPG・DMEとの違い

LPGは容器内で液化していますが、一部のガスが気化して製品の圧力を一定に保っています。そのため、使用初期から終期まで一定した吐出状態を維持でき、気化する際のガスの膨張作用によって、濃密な泡や微細な霧などの噴霧特性が実現されています。
一方で、炭酸ガスは容器内で液化せず、原液に溶解している部分と気体として存在するため、使用に伴い圧力が低下する性質があります。ガス自体が気化・膨張しないため、噴霧状態の調整には制限があり、製品の付加価値を高め、品質を保つためには長年の経験に基づく適切な製品設計や製造技術が必要です。
製品設計においては、不適切な使用方法でガスだけが噴射されるのを防ぐ錘付きバルブの選定、最後まで使い切れるように圧縮ガスが十分に充填できる容器のヘッドスペースの確保、圧力低下を考慮した初期圧力設定、圧縮ガス製品特有の噴霧形態を引き出すための容器・バルブ・ボタンなどの部材選定が重要となります。
製造面においては、エアゾール生産時時の圧縮ガスの充填方法と充填精度が重要となります。
また、液化ガスと圧縮ガス、それぞれの品質課題を解決し、それぞれの特長を生かした噴霧特性を実現するため、液化ガスを併用した製品を設計、製造することもできます。

炭酸ガスエアゾールが向いている製品・向いていない製品

<炭酸ガスが向いている製品>

可燃性ガスを不使用、炭酸ガスの特長を最大限にいかすことができます。例えば泡状化粧品の場合には、炭酸ガスを高濃度配合でき、液化ガス製品特有の冷たさを製剤化が可能です。

  • 泡状化粧品(乳液、ローション、パック、化粧下地、洗顔、シャンプー、コンディショナー)
  • 化粧水
  • スカルプケア
  • オーラルケア 等

<炭酸ガスと液化ガスの併用が向いている製品>

炭酸ガスと液化ガスを併用することで、それぞれの特長を最大限にいかすことができます。例えば泡状化粧品の場合には、泡の気泡力や弾力性が向上、泡の微細化でき、使用感として冷却効果を付与できる。

  • 泡状化粧品(乳液、ローション、パック、化粧下地、洗顔、シャンプー、コンディショナー)
  • 化粧水
  • スカルプケア 等

 

<炭酸ガスが向いていない製品>

微細なミストが必要な製品や炭酸ガスの効能・効果を求めない製品。さらには炭酸ガスと内容物との相溶性が悪い製品など。

  • ヘアスプレー
  • デオドラントスプレー
  • 消臭スプレー
  • 殺虫剤
  • ヘアカラー 等

炭酸エアゾール製品の処方設計で気をつけること

炭酸ガスは水に溶ける性質があり、そのため原液のpHを低下させる特性を持っています。当社の研究開発部では、製品設計の段階から長年の経験と豊富な知見を活かし、対象内容物との相溶性の確認に加え、内容物の組成や粘度が炭酸ガスの溶解性に与える影響、さらにpH低下による容器の腐食やバルブ部材への影響についても厳密に検証しています。また、経時的な内容物および噴霧特性の変化を継続的にモニタリングし、製品品質の維持に努めています。
さらに、お客様からいただいた製品コンセプトや使用シーンを踏まえ、最適なパッケージ選定や噴霧特性の調整を行い、量産前には炭酸ガス充填方式の設定や充填精度の検証も実施しています。

東洋エアゾール工業の炭酸ガス充填対応と相談の流れ

現在、当社では化粧品を中心に様々な炭酸ガス配合製品の開発・生産を行っています。対応可能なカテゴリーは、スキンケア(乳液、化粧水、ローション、パック、化粧下地、洗顔料)、ヘアケア(シャンプー、コンディショナー)、スカルプケアなど多岐にわたります。
製造現場においては、炭酸ガス充填設備および供給ガスの圧力・温度管理を最適化することで、充填精度を大幅に向上。また、当社で独自開発した「炭酸ガス充填アダプター」を導入することで、高粘度原液に対しても高精度かつ安定した充填を可能にしました。
製品に関するご相談の流れとしては、コンセプトをお聞きした上で、それに対応したサンプルのご提供や、製品企画や設計にご活用いただける当社オリジナル処方の提案、お客様がお持ちの原液をお預かりし炭酸ガス配合製品化の可能性を検討するなど、多様なご要望に柔軟に対応いたします。
このように当社は、製品の開発から製品化まで一貫して丁寧にサポートし、安全かつ高品質な製品づくりに貢献しています。

まとめ

炭酸ガスをエアゾール噴射剤に選ぶことは、不燃性で安全性が高く、液化ガスとは異なる特性を持つため、製品設計や製造に専門的な知識と経験が必要です。当社は長年の実績を活かし、炭酸ガスと内容物の相溶性確認や容器・バルブ設計、充填工程まで一貫してサポートいたします。
特に泡状化粧品で炭酸ガスの特長を最大限に活かせるほか、用途に応じた適切な噴射剤の選定が製品の品質や使用感に大きく影響します。
東洋エアゾール工業は製品開発から量産まで柔軟に対応し、安全かつ高品質な製品づくりを支援します。

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